学生紹介

博士前期課程1年

葛 昱暉 (カツ イクキ) 中国

間接受身表現についての日中対照研究

日本語の間接受身表現は二つの固定的パターンがあるのに対し、中国語の間接受身表現は典型的な間接受身文以外にもいくつかの表現が存在していると予想されます。コーパスを利用して、これらの表現が間接的に被害を受ける意味を表す機能の実現のされ方や、典型的な中国語の間接受身の典型的パターンとの繋がり、また、日本語を対訳するときの対応関係などの問題について検討したいと思っています。


指導教員:奥田 智樹

2015年度受講授業

  • 言語習得論a(小島)
  • 日本語教授法概論a, b(鷲見)
  • 応用言語学データ分析論a, b(志波)
  • 応用言語学概論a, b(堀江)
  • 応用言語学方法論a, b(秋田)
  • 応用言語学特殊研究a, b     (奥田)
  • 日本語文法論a, b(李)
  • 対照表現論演習a, b(鷲見)



施 淵文 (シ エンブン) 台湾

日本語と中国語における多義語形容詞「重い」、「重」の意味拡張と対照

日本語にも中国語にも漢字「重」がありますが、「重い荷物→重的行李」のように言い換える場合もあれば、「重い雰囲気→✱重的氣氛」のように言い換えると不自然になる場合もあります。身体感覚、メタファー、メトニミーなどの認知言語学観点から日本語の「重い」と中国語の「重」はどれぐらい意味拡張をしたかを検討し対照し、共通点と相違点を見つけ出すことを目標とします。


指導教員:秋田 喜美

2015年度受講授業

  • 応用言語学概論a, b(堀江)
  • 応用言語学特殊研究a, b     (奥田)
  • 応用言語学データ分析論a, b(志波)
  • 応用言語学方法論a, b(秋田)
  • 現代日本語学概論a, b(籾山)
  • 日本語教授法概論a, b(鷲見)
  • 現代中国語表現論a, b(丸尾)



田邊 泉 (タナベ イズミ) 日本

依頼談話における日韓対照研究

類型論上大変類似していると言われる日本語と韓国語、両言語の母語話者による依頼談話を通して、各言語におけるコミュニケーションスタイルの相違点と共通点を明らかにすると共に、各言語話者の対人意識について分析したいと考えています。


指導教員:堀江 薫

2015年度受講授業

  • 応用言語学概論a, b(堀江)
  • 応用言語学方法論a, b(秋田)
  • 談話分析方法論a, b(俵山)
  • 言語統計学a, b(小島)
  • 日本語教授法概論a, b(鷲見)
  • 現代日本語学概論a, b(籾山)
  • 日本語文法論a, b(李)
  • 対照表現論演習a, b(杉村)



張 子粒 (チョウ シリュウ) 中国

二字漢語連体修飾に関わるナ・ノの使用混同
―新聞と小説コーパスを用いて「最―」型を分析して―

中国人日本語学習者と日本語母語話者とで、接頭辞「最―」を用いて二字漢語の連体修飾する場合に、「ナ」と「ノ」の選択傾向がどのようになっているのかを調査して誤用分析を行います。コーパスを用いて、使用頻度を検証し、「ナ」と「ノ」の選択要因を明らかにします。


指導教員:志波 彩子

2015年度受講授業

  • 応用言語学概論a, b(堀江)
  • 応用言語学データ分析論a, b(志波)
  • 応用言語学方法論a, b(秋田)
  • 対照表現論演習Ⅰa, b(鷲見)
  • 対照表現論演習Ⅱa, b(杉村)
  • 日本語文法論a, b(李)
  • 現代中国語表現論a, b(丸尾)
  • 日本語教授法概論a, b(鷲見)
  • 現代日本語学概論a, b(籾山)



Hay Thary (ハイ タリー) カンボジア

日本語・クメール語の名詞修飾節構造に関する対照言語学的研究―修飾マーカーを中心に―

カンボジアの公用語であるクメール語の名詞修飾節構造は修飾部と主名詞の間に修飾マーカー「dael」及び「tha:」が介在しますが、その各マーカーの機能分担及び構造についていまだ解明されていない点が有ります。そうした点を踏まえて、クメール語・日本語の名詞修飾節構造の構造と機能を対照することを目的します。


指導教員:堀江 薫

2015年度受講授業

  • 日本語教授法概論a(鷲見)
  • 応用言語学データ分析論a(志波)
  • 応用言語学概論a(堀江)
  • 応用言語学方法論a(秋田)
  • 応用言語学特殊研究a(奥田)
  • 日本語文法論a(李)
  • 対照表現論演習Ⅰa(鷲見)



博士前期課程2年

Kloyan Luiza (クロヤン ルイザ) アルメニア

日本語とアルメニア語の連体修飾についての対照研究

日本語の従属節には連体修飾節がありますが、これに対してアルメニア語では分詞構文を使います。しかし、日本語の連体修飾節は全てアルメニア語の分詞構文に直訳できるわけではなく、場合によっては関係代名詞などを使う必要があります。日本語とアルメニア語の対照研究を通して、両言語間にどのような共通点と相違点があるのかを明らかにした上で、それぞれの言語の特徴について検討していきたいと思っております。


指導教員:奥田 智樹

2015年度受講授業





頼 虹聿 (ライ コウイツ) 台湾

台湾閩南語の「hoo ... ka」構文の受身用法
―日本語との対照を通して―

受身や使役を表す「hoo」(予)と目的語の前置の標識である「ka」(共)によって構成される「hoo ... ka」構文の受身用法を主要な研究対象とし、日本語の受身表現との対照を通して、そのメカニズムと機能の相違について対照言語学の観点から考察します。


指導教員:堀江 薫

2015度受講授業





鄭 芷昕 (テイ シキン) 台湾

日本語と台湾閩南語における引用標識の多機能化―「と」とkóngを中心に―

台湾南語においては、発話動詞kóng が補文標識の機能を果たすようになるという文法化の過程が見られると言われています。補文標識として機能するkóng が日本語の引用標識「と」に類似する機能を持つという仮定を前提として、両言語における引用標識の構造的な対応関係を検証しています。今後、発話動詞kóng に類似する文法化現象が見られる他言語との対照を通じて、補文標識の省略が可能な環境と不可能な環境を明らかにしたいと思っています。


指導教員:堀江 薫

2015年度受講授業

  • 日本語音声学a, b(鹿島)
  • (聴講)
  • 応用言語学概論a, b(堀江)
  • 応用言語学方法論a, b(秋田)
  • 応用言語学データ分析論a, b (志波)



八ッ藤 愛美 (ヤツフジ イツミ) 日本

日本語結果構文と仏英の対応表現
日本語とフランス語と英語はそれぞれに異なる特徴を持っていますが、結果構文という文法の括りの中では、成立範囲が英語>日本語>フランス語の順に狭まっていくという面白い現象が現れます。一般的に英語とフランス語の方がより多くの類似点を持つにも関わらず、この文法項目においては日本語が両言語の中間の立場に置かれます。なぜこのような現象が起きるのかを文法的・意味的な側面から検討し、日本語を学ぶ方々の手助けとなる鍵を見つけたいです。


指導教員:奥田 智樹

2015年度受講授業

  • 休学中


博士後期課程1年

江 俊賢 (コウ シュンケン) 中国

日中における非意図的な他動詞構文の意味と機能

「お腹を壊す/体調のバランスを欠く/(偶然)100円を見つける/犬が尻尾を垂らして歩いている」などのような動作主の意図性が欠けた非意図的な他動詞構文が見られます。一方、中国語でも「吃壞了肚子」(腹を壊す)、「小狗垂著尾巴走路」(犬が尻尾を垂らして歩いている)のように、日本語と同様に他動詞構文となっています。本研究は日中の対照研究を通じて、非意図的な他動詞構文の研究で、新たな局面を切り開くことを試みます。


指導教員:堀江 薫

2015年度受講授業

  • 応用言語学概論a(堀江)
  • 応用言語学特殊研究a(奥田)



朱 氷 (シュ ヒョウ) 中国

モダリティ表現の多機能性に関する類型論的研究 
本研究は文法化と類型論の観点からモダリティ表現における意味・機能変化に注目し、機能拡張のパターンを体系的に記述した上で、言語間の共通点と相違点を究明します。

 
指導教員:堀江 薫

個人のホームページ
https://sites.google.com/site/shuhyoo/


2015年度受講授業

  • 応用言語学データ分析論a(志波)
  • 応用言語学方法論a, b (秋田)
  • 日本語学講義(集中)(小柳)
  • 人文学演習(前期)(浅尾)
  • Academic PresentationⅠ(David Toohey)

博士後期課程2年

HAMLITSCH Nathan (ハムリッチ ネイサン)
アメリカ
日本語における「N+N」による混種複合語の機能に関する認知言語学的研究:形態論と意味を中心として
明治以来、日本語で(主にヨーロッパの諸言語からの)外来語が数多く増えてきています。これらの外来語の中には抽象的な意味を持っているものが数多くあります(例:「バランス」)。しかし、これらの中には相当する意味を持つ和語(例:「釣り合い」)・漢語(例:「均衡」)が存在しているものもあるため、「日本語では抽象的な語彙について、和語・漢語に相当する語がすでに存在する外来語をなぜわざわざ借用し、使用するのか」、すなわち「これらはどのような機能を果たしているのか」というリサーチクエスチョンについて探求していきたいです。

 
指導教員:堀江 薫

2015年度受講授業



Sylvia Wijaya (シルフィア ヴィジャヤ) インドネシア日本語とインドネシア語における他動性の特徴―日本人であるインドネシア語学習者を対象に

 
指導教員:堀江 薫

2015年度受講授業


楊竹楠 (ヨウ チクナン) 中国

日中語の名詞修飾構造における平行性と相違点:機能的・認知的観点から
中国語の名詞修飾、特に「的」が使われる名詞修飾について日本語の名詞修飾と対照分析を行います。パラレルコーパスから中国語の特徴的な表現を探し出し、具体的に記述し、対訳の日本語文との平行性と相違点を機能的・認知的観点から分析します。両言語がどのように対応しているかを対照言語学・言語類型論の観点から考察し、形式と意味の対応がどのようなものであり、また、その背後にどのような認知・機能的な動機づけがあるかを探求したいと思います。

 
指導教員:堀江 薫

2015年度受講授業

  • 応用言語学概論a, b (堀江)
  • 応用言語学特殊研究b (奥田)
  • Academic WritingⅠ(E)Chinese(Lu)


博士後期課程3年

市村 葉子 (イチムラ ヨウコ) 日本

自然発話における「ノダ(+終助詞)」の手続き的意味分析―具体的形式と音調に注目して―
ノダや終助詞(特に「よね」)に興味があります。修士論文では「よね」の談話機能を文脈と音調を基に記述しました。しかし,ノダと共起する「よね」(例:明日バイトなんだよね)についての考察は課題として残りました。ノダや終助詞に関する先行研究はとても多いのですが,このような複合形式に関する研究はほとんどありません。今後,自然会話コーパスを用いて「ノダ(+終助詞)」の手続き的意味,さらに発話意図と産出音調との対応関係を明らかにしたいと思っています。

 
指導教員:堀江 薫

2015年度受講授業

  • 現代日本語学概論a (籾山)
  • 日本語音声学a(鹿島)
  • 応用言語学方法論a(秋田)

京野 千穂 (キョウノ チホ) 日本

聞き手領域に対する配慮が言語形式の選択に与える影響―テモラウ・テクレル及びノダ文・非ノダ文の場合―
テモラウとテクレルの叙述文における母語話者の使い分けと、与え手に感謝を述べる際の使い分けを調査し、意味論的意味と語用論的意味の異なり、そして、関連性の双方を考察しています。語用論的意味への変化過程には、日本語話者の他者配慮における規範が推論の方向付けに関わるとの仮説を立て、敬語形のテイタダクとテクダサル、そして、ノダ文と非ノダ文に対しても検討を行っています。

 
指導教員:堀江 薫

2015年度受講授業

  • 応用言語学データ分析論a, b (志波)

博士後期課程4年

安 蕙蓮 (アン ヘリョン) 中国

日韓両言語における授受表現の対照言語学的研究:―「~(し)てもらう」と「~받다 (~(hya) batta)」を中心に―
外国語として日本語を学習するに当たり、授受表現は大変難しい項目だと知られています。特に韓国語には「~てもらう」に当たる補助動詞が無いが故に、「~てもらう・~ていただく」表現の習得が難しいとされていました。しかし、現代韓国語において「~てもらう」に値するような表現が徐々に現れ、文法化していることが覗えます。そこで、韓国語と日本語の授受表現についての対照研究を行い、韓国語と日本語の中で「~てもらう」項目の使用率や「~てもらう」と共起できる語が違う理由を突き止めることで日韓両言語の相違点を眺める一つの要因にできるのではないかと思っています。


指導教員:堀江 薫

2015年度受講授業

  • 休学中

呉 守鎮 (オ スジン) 韓国

日・韓両言語の「形式名詞+だ(이다 / ita)に関する対照研究―文法化の観点から

本研究では現代日·韓両言語における「形式名詞+だ(이다/ita)」に関する対照研究を通じて、文法化の観点から両言語の類似点及び相違点を明らかにしたいと思います。特に言語類型論の観点を通じて、両言語の多様な意味·用法への文法化の対照研究を行い、それらがどのように位置づけられるかについて分析することによって、個々の言語研究では見えにくい日·韓両言語の根本的な特徴が明らかになることを期待しています。
 
指導教員:堀江 薫

2015年度受講授業


 
博士後期課程5年

勝田 順子 (カツダ ジュンコ) 日本

マレーシア語と日本語の対照談話研究―聞き手の反応とその出現環境を中心に―

マレーシア人日本語学習者が、日本人との接触場面会話において良い人間関係を築くための会話教育への示唆を得ることを最終目標に据え、日本人人同士、マレーシア人同士の会話、及び、接触場面の会話を分析します。特に、両言語それぞれの会話において、聞き手の行動が「どこで、生起するのか」を、質・量的観点から分析します。また、接触場面会話とその後のフォローアップ・インタビューから、聞き手行動を行う際の心理的背景について分析します。


指導教員:堀江 薫

2015年度受講授業

  • なし

古田 朋子 (フルタ トモコ) 日本

介護現場で高齢者との接触場面におけるポライトネス・ストラテジー―日本語母語話者介護者と非日本語母語話者介護者の対比を通して―
介護現場で行われる被介護者への食事・入浴・排泄などの介護援助は、被介護者のネガティブ・フェイスを脅かす言語行動を伴います。本研究では、特定の介護援助における日本語母語話者と非日本語母語話のポライトネス・ストラテジーに注目し、両者の変化を縦断的に観察することにより、その対比を試みます。特に両者の相違点だけでなく、宇佐美(2002) のディスコース・ポライトネス理論に基づき、「心地よい」ポライトネス効果について考えたいと思います。


指導教員:堀江 薫

2015年度受講授業