応用言語学方法論b

担当教員:秋田喜美
期別:後期
曜日/時限:木5
講義室:文系総合館609
オフィス
アワー:
随時(メールによる事前確認を推奨します)

講義題目
統語と意味の接点

目的・ねらい
統語と意味の接点に関する代表的な理論的枠組みを比較検討します。

講義内容
似た意味の語は似た統語的振る舞いを見せます。例えば、英語の移動動詞runjogは、いずれも主語に移動者を取り、斜格語として経路を表すことができます(例:John ran/jogged across the park)。「統語と意味の接点(syntax-semantics interface)」に関する理論は、意味から統語を予測する最適なモデルを築くことを目的としています。この授業では、主に英語と日本語に関する研究例を通して、以下の3つの視点を養います。
1. 個別の事例研究から一般言語学に貢献する

2. 複数の理論的アプローチを批判的に見比べる

3. 理論を通すことで初めて見えるものがあることを知る
取り扱う具体的な枠組みとしては、構文文法、フレーム意味論、語彙意味論、生成語彙論などが含まれます。議論の中心は、動詞の意味に重きを置くか、構文の意味に重きを置くかです。また、前期に続いて、オノマトペ(擬音・擬態語)におけるこれらの理論の実践例も紹介する予定です。なお、受講生の興味に応じて、扱う論文は調整する可能性があります。

毎回の授業後は、砕けた研究相談・ディスカッションの場にしたいと考えていますので、積極的にご活用ください。

教科書
Dropboxで論文と授業スライドを共有します。

参考書

影山太郎(編). 2001.『日英対照 動詞の意味と構文』大修館書店.

岩田彩志. 2012.『英語の仕組みと文法のからくり:語彙・構文アプローチ』開拓社.

履修条件
読む論文の半数は英語で書かれています。毎回、それらを読んできていることを前提とした宿題とディスカッションをこなしていきますので、それを念頭に置いて履修してください。

成績評価
以下の観点より総合的に評価致します。

12回の論文報告(30%)、宿題・ディスカッションへの参加(40%)、期末レポート(30%