応用言語学方法論a

担当教員:秋田喜美
期別:前期
曜日/時限:木5
講義室:文系総合館609室
オフィス
アワー:
随時(メールによる事前確認を推奨します)

講義題目
様態表現の類型論(基礎編)

目的・ねらい
言語学(特に認知・機能言語学)の方法論の基礎を、具体的な研究課題を通して学びます。

講義内容
私たちは地点Aから地点Bへと移動する際、歩くこともあれば、走ることもあり、場合によっては這ったり泳いだりすることもあります。こうした「様態情報」の表現法には、言語内・言語間で多様性が見られます。例えば、多くの言語は「歩く」に相当する動詞を持ちますが(例:「走」(中国語)、ketta(韓国語)、walk(英語)、camminare(イタリア語))、日本語では「てくてく」や「ぶらぶら」などの擬態語を用いることもあります。この授業では、このような様態表現の言語内・言語間比較を例に、認知・機能言語学の主要な方法論(内省、コーパス調査、実験、フィールドワーク)を学んでいきます。以下は具体的な検証課題の例です。

1. 各言語はどのような様態表現を持っているのか?
2. 各言語の話者は各様態表現をどのくらい使用するのか?
3. 各言語の話者は様態をどのように知覚しているのか?
4. 様態表現はどのような比喩的用法を持つのか?
5. なぜ14の答えのようになるのか?

また、以下の一般的な能力の向上にも取り組んでいきます。

1. 分かりやすいプレゼンテーションの方法
2. 学会発表応募のための要旨作成法

なお、授業内容は学習進度および受講生の関心により調整していきます。

教科書
Dropboxで論文と授業スライドを共有します。毎回、次回分の論文を読んできてもらいます

参考書
松本曜編. 2003.『認知意味論』大修館書店.
中本敬子・李在鎬編. 2011.『認知言語学研究の方法:内省・コーパス・実験』ひつじ書房.

履修条件
英語ないし日本語で書かれた文献を中心に読んでいきますので、それを念頭に置いて履修してください。

成績評価
以下の観点より総合的に評価致します。
1回以上のプレゼンテーション(論文のレビュー)(30%)、ディスカッションへの参加(20%)、毎週課されるメモ程度の宿題(10%)、期末レポート(40%