担当教員: | 志波彩子
|
期別: | 前期
|
曜日/時限: | 火4
|
講義室: | 北棟107号室
|
オフィス アワー: | 木曜2限(北棟402号室)
|
講義題目 動詞構文論目的・ねらい 近年,従来の生成文法に代わる理論として構文文法論が注目されている。本講義では,特にGoldberg(1995)の構文文法論を取り上げ,その主張と具体的方法論を学んだ上で,奥田靖雄の構文理論と比較し,両者の共通点と相違点を探る。文を「構文」として分析する際に重要な概念である,「体系・構造・要素」という概念を理解し,この方法論を用いて実際の動詞文を分析できるようになることを目的とする。
講義内容 具体的なテキストとしては,Goldberg (1995)と奥田靖雄の「を格の連語論」を他動詞構文論として読んでいく。奥田の「を格の連語論」は,従来,格助詞の用法の記述として読まれることはあっても,動詞構文論として理解されることはほとんどなかった。本講義では,これを他動詞構文論として読むことで,他動詞構文のタイプと各構文タイプの相互交渉のあり方(ネットワーク)を理解していく。 なお,「を格の連語論」については,分担者を決め,受講者に内容を紹介してもらう形で進めて行く。 1. Goldberg(1995)の主張と具体的方法論 2. 奥田(1980-81)の主張 3. 奥田(1968-72)の「を格の連語論」(具体的方法論) 3.1 対象への動作(対物的,対人的,対事柄的) 3.2 所有関係 3.3 心理的作用(認識,態度) 4. Goldbergと奥田の共通点と相違点について5. 知覚動詞構文の分析
教科書 プリントを配布します。
参考書 Goldberg,
A. E. 1995. Constructions: A Construction Grammar Approach to Argument
Structure. Chicago, University of Chicago Press. 河上誓作他訳(2001)『Adele
E. Goldberg著 構文文法論―英語構文への認知的アプローチ』研究社出版 奥田靖雄(1983)『日本語文法・連語論(資料編)』言語学研究会(編) むぎ書房 奥田靖雄(1980-1981)「言語の体系性」『教育国語』63, 64, 65, 66号(再録:奥田1996『ことばの研究・序説』むぎ書房) 奥田靖雄(1968-1972)「を格の名詞と動詞のくみあわせ」『教育国語』12, 13, 15, 20, 21, 23, 25, 26, 28号(再録:言語学研究会編1983)
履修条件 特になし。
成績評価 授業内での講読文献の発表(30%),出欠及び授業への参加度(20%),レポート(50%) |
|